愛と継続

5月に入って庭を眺めると、小さな花がたくさん目に映りました。まるでグリーンのキャンバスに黄色の絵の具をまき散らしたようで、サンダルをはいて外へ出るとタンポポが辺り一面に咲いていました。ブタナとタンポポはよく似ていると言われるので早速ネットで調べてみたら、ブタナはもう少し背丈があって一本の花茎の途中から枝分かれして複数の花を咲かせるということでしたのでやはりタンポポでした。
これまでアトリエの庭にこんなに多くのタンポポが咲いたのは初めてでした。ヨーロッパでは古くから綿毛を「好き」「嫌い」と交互に唱えながら息で吹いて最後に残った綿毛がどちらかで相手の恋心を占う花ですが、それにあやかって花言葉は「愛の神託」とも言うそうです。一息で全ての綿毛を吹き飛ばせれば相手に脈あり、残れば残念ながら…という占い方もあるそうですが、それにしても人生でこれだけたくさんの恋が出来る人もいないだろうと思えるほどの花数でした。ましてやこのところの自分なんぞには縁遠いもの、たくさんのタンポポを眺めながらせめて雰囲気だけでも恋愛気分に浸ってみたいと思いました。

    
 


それから数日後、軽井沢国際テニストーナメント(通称「軽トー」)の100年記念レセプションと展示会に都内まで出かけました。現存する国内最古と言われるテニストーナメント、試合はアトリエからも歩いて10分ほどの軽井沢会のコート(2014年8月記事の「ストレス解消」を参照ください) で毎年夏に行われます。当日レセプション会場となった六本木のホテルにはテニスコートのロマンスを育んだ天皇皇后両陛下もお見えになり、軽井沢ショパン倶楽部会長でもある主催者の松木康夫軽井沢会理事長の挨拶に始まったパーティーは400人を超えるテニス愛好者の熱気に包まれました。それにしても100年とは並大抵ではないと感じました。写真は展示会場での展示品のひとつ、現在のラケットやボールとはかけ離れたもののように見えますが、いずれも1930年前後の大会で実際に使用された貴重品だそうです。
関係者のたゆまぬ努力はもちろんのこと、継続して行くことの尊さを実感した一日でもありました。

           



【2016/05/18 18:27】 日常 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
top>>

第36回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム

天候にも恵まれた4月30日、当軽井沢ショパン倶楽部アーティスト代表でもある天才ピアニスト・横山幸雄さんによる「第36回軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <エチュード特集>」が開催されました。
演奏に先立ちショパン倶楽部の松木康夫会長と世話人代表の挨拶があり、今シーズンの始めを彩るエチュード特集が華やかにスタートしました。 

             
                                   
曲目は
第一部
バラード1番作品23 (リクエスト曲)
スケルツォ1番作品20 (同)
エチュード作品10 全12曲
ティータイムを挟んで
第二部
マズルカ作品17の1〜4 (リクエスト曲)
マズルカ作品24の1〜4 (同)
エチュード作品25 全12曲
でした。

恒例のリクエストは横山さんが当日軽井沢駅から会場までの車中で20曲近いリストを見て瞬時に選曲したもの、今回も演奏の質の高さだけでなく、コンサート全体の構成にも目を見張るものがありました。
第一部はルバートを効かせた導入部が印象的だった「バラード1番」と正確無比な「スケルツォ1番」をエネルギッシュにこなし、エチュードへの布石を明確に示しました。「エチュード作品10」では壮大なアルペジオの「滝」(作品10の1)や人気アニメでも話題になった4番、そして5番「黒鍵」ほかの難曲を華麗に弾き、ラストの「革命」(同10の12)で豪快に締めました。
とりわけ「革命」では比較的短い曲乍ら、リクエストも含めそこに至るまでの全ての曲が終結されたと思えるほどの決定力を感じました。

第二部はショパンの心象風景を日記のように綴ったと横山さんから説明のあったマズルカに始まりました。今回リクエストの一番多かったのがマズルカで、2011年の東日本大震災直後のGWに横山さんのマズルカ特集が開催された時の深い印象が思い起こされました(2011年5月掲載の「第17回オールショパンコンサートの報告」記事をご参照ください)  熊本地震のような大きな災害が起こると人々は故郷に想いを抱くのでしょうか? 今回の演奏も第17回の時と同じように、端正なタッチで心の奥底に語り掛けるものでした。
マズルカの後、作品10よりも曲としてのまとまりの強い(完成度が高い)と同じく説明のあったエチュード作品25が演奏されました。
確かに1番の牧歌的な「エオリアンハープ」からラストまで、様々な風合いを見せながら濃密な時間が流れて行きました。さらにコンサートを締めくくる11番「木枯らし」と12番「大洋」の勢いと超絶技巧は圧巻でした。


   
  

今回も横山さんの緩急織り交ぜた發け藾婬蚕僂呂發舛蹐鵑里海函聴かせどころで聴衆をいっそう惹きつける表現力と説得力は感動以外の何物でもなく、中には涙を流すお客様もいらしたほど心を揺さぶられました。お忙しい中お出でいただいた多くのお客様と関係者の皆様、そして素晴らしい演奏を披露くださったピアニスト・横山幸雄さんに心から感謝申し上げます。 



【2016/05/02 02:25】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
top>>