謹賀新年、並びに昨年のアーカイブス

2016年、明けましておめでとうございます。昨年もあっという間の1年でしたが、ブログ更新もちょうど1年ぶり、自身のものぐさぶりに開いた口がまったくふさがらない状態です。
早速ですが2015年のサロンコンサートとそれにまつわる出来事を下記にまとめてみました。

(1) 2015年1月17日 「第5回プライベートコンサート」 (於 プアトリエブルックス プライベートサロン)
恒例の横山幸雄さんによるFAZIOLIピアノを使ったクローズドコンサートを今回も約1年ぶりに開催しました。ショパンも相変わらず素晴らしかったですが、モーツァルトのソナタ14番や幻想曲も、正確無比なテクニックが紡ぎだすイノセントな雰囲気が大変印象的でした。

(2) 2015年3月29日「軽井沢ショパン倶楽部 第一回世話人会」 (於 新高輪プリンスホテル)
軽井沢ショパン倶楽部の2010年発足以来初の公式世話人会を開催しました。これにより全ての「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」とそれに関連するサロンコンサートは、ショパン倶楽部の会員様とそのお連れ様(ビジター)主体の会員制に移行することを確認・決定しました。 ちなみにアトリエブルックスでは2007年より「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」を中心にプレイエルピアノを使用したサロンコンサートを始めましたが、必然的に近隣の別荘のお客様が増え、その皆様を会員にお迎えして2010年に軽井沢ショパン倶楽部を結成しました。

(3) 2015年5月2日「第33回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」 (於 アトリエブルックス軽井沢ギャラリー&サロン)
 横山幸雄さんによるオールショパンプログラム。新宿オペラシティでの一大オールショパンコンサートの直前に毎年開催するのが2010年からの通例となっており、今回も横山さんのオペラシティ本番前の緊張感あふれる演奏を大いに楽しみました。特にコンチェルト2番(ピアノ独奏版)の第2楽章「ラルゲット」はまさしくショパンの恋人コンスタンツィアへの想いを代弁するかのような情熱に溢れ、大変印象に残りました。ちなみにコンチェルト2番は90年のショパンコンクールの本選でも横山さんが弾いた曲です。さらにリクエストで披露されたバラード全曲のしり上がりに高まる集中力と迫力は感動の一言でした。なおこれまでも実質的にはそうでしたが、このサロンコンサートより正式に会員制に移行しました。

(4) 2015年6月12日 「軽井沢ショパン倶楽部 松木康夫新会長との顔合わせ、並びに第2回世話人会」 (於 赤坂アークヒルズクラブ)
2010年の発足時以降不在だった軽井沢ショパン倶楽部の会長に、新赤坂クリニックの松木康夫名誉院長が3年任期で就任して下さることとなりました。松木会長は発足当初よりショパン倶楽部の会員でいらっしゃいましたが、日本音楽財団の理事などを務め自らカンツォーネを歌うなど無類のクラッシック音楽好き、また軽井沢会の現職理事長でもあり、軽井沢ショパン倶楽部にとっては大変心強く有り難い人事となりました。懇親後の第二回世話人会では、コンセプトや運営方針についての確認や意見交換がなされました。 ちなみに軽井沢ショパン倶楽部は松木会長のもと、頼りになる4組の世話人の皆様と主宰者であるアトリエブルックスが主要運営メンバーとなりますが、「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」最多出演の世界的ピアニスト、横山幸雄さんもアーティスト代表として名前を連ねて下さっていることも嬉しい限りです。

(5) 2015年7月19日 「第33回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」 (於 アトリエブルックス軽井沢ギャラリー&サロン)
軽井沢では今年2回目の横山幸雄さんによるオールショパンコンサートが開催されました。横山さんからも尋ねられましたがこれで通算14回目のショパンコンサートとなり、プライベートサロンでのコンサートを含めると19回目になりました。2009年の秋以降これだけ多くの演奏を40人前後の空間で聴けたことは(ちなみに軽井沢での演奏は全て二部制のリサイタル形式となります)、軽井沢ショパン倶楽部会員にとっては何物にも代えがたい財産(体験)になるという話が打ち上げ時にも出ました。また演奏が年を追うごとに成熟度を増してきていることを身をもって感じられる点も、奏者との距離の近いサロンコンサートならではの醍醐味だと思いました。当日のコンチェルト1番(ピアノ独奏版)も雄大さの中に繊細さと躍動感が散りばめられ、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズも前半の流麗なアルペジオと後半の弾けるようなポロネーズの対比が印象的でした。GWの張りつめた気迫とは異なり、例年の夏の演奏では比較的自由で解き放たれた印象を感じることが出来るのも、春夏連続の横山さんのサロンコンサートならではと言えるでしょう。リクエストで弾いたスケルツォ全曲の勢いもまさに圧巻でした。

(6) 2015年8月22日 「第34回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」(於 アトリエブルックス軽井沢ギャラリー&サロン)
仲道祐子さんのピアノとNHK交響楽団のカルテットによるオールショパンコンサートが開催されました。アトリエブルックスでのN響メンバーは初出演となり、リーダー格の実力者・飛澤浩人さん(N響ヴィオラ次席奏者)に宇根京子さんと横溝耕一さん(いずれも同第一ヴァイオリン)の若手ホープが加わり、日本のチェロ第一人者の一人である向山佳絵子さん(N響チェロ主席奏者)が飛澤さんとともに確実にハーモニーを支えました。また仲道祐子さんは横山幸雄さんに次ぐ6回目の最多出演となり、当プレイエルピアノを知り尽くした相性抜群のピアニストと言えるでしょう。アトリエブルックスに於けるピアノカルテットの演奏は2010年以来となりますが、今回も素晴らしいコンサートを楽しむことが叶いました。特にアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズがオーケストラバージョンで演奏されることは珍しく、ピアノ独奏とは異なるショパンの勇壮な趣向を随所に感じることが出来ました(ちなみにオケバージョンが初めに出版されたと言われています)  またチェロの向山さんと仲道さん演奏の序奏と華麗なるポロネーズも、向山さんの精緻なチェロと仲道さんの端整なピアノが見事に融合して、上質なシルクのようなショパンが披露されました。メインのピアノコンチェルト1番では、各奏者の美しい音色が宝石のように散りばめられたかと思うと重厚な響きに変化したりと、色彩感に富んだ演奏を楽しませてくれました。今回の実力派メンバーの演奏で感じたことの一つは、曲全体をどのように演出していくかを各パート全員が互いの特性を理解しながら瞬時にコントロールしていることでした。そういう点では上質な序奏と華麗なるポロネーズのあと、開放感あふれるパステル画のようなコンチェルトに一変したことも印象的でした。 仲道祐子さんとN響メンバーの力を得て、本来のサロンコンサートの醍醐味を存分に堪能出来た演奏会でした。

(7) 2015年11月3日開催 「第35回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」(於 アトリエブルックス軽井沢ギャラリー&サロン)
ヴァイオリンに小林美恵さん、チェロに長谷川陽子さん、ピアノに仲道祐子さんを紅葉の軽井沢に迎えて、今年も実力と人気を兼ね備えたトリオのオールショパンコンサートが華やかに開催されました。3人による演奏会は2013年から数えて3度目となりますが、回を増すごとに磨き上げられ、今回は響き豊かな録音スタジオで聴いていると思えるほどの完成度を実感しました。チェロとピアノによる序奏と華麗なるポロネーズでは、過去3回(2012年開催時の長谷川・仲道デュオプログラムも含みます)の二人が織りなす演奏も素晴らしかったですが、今回は長谷川さんの生命感あふれるチェロと仲道さんの端正なピアノ演奏がさらに補完し合い強く結びついた印象を受けました。チェロソナタも同様でしたがその分曲の輪郭とメリハリが一層際立ち、いずれもこれまで以上の感動をもたらしてくれました。メインのピアノ三重奏曲では小林美恵さんのヴァイオリンの音色がとりわけ冴えわたり、それに呼応するように各自の演奏に勢いと集中力がみなぎって曲の説得力を十二分に高めました。ユニゾンから始まる第一楽章の一体感、そして一糸乱れぬハーモニーを見せた第二・第三楽章を経て、第四楽章のポーランド的リズム(クラコヴィアク)で喜びを昇華させるという明確な構成と高い完成度に、3人の底力を垣間見たように思えました。コンサート後、会員の一部の皆様から軽井沢サロンの雰囲気に大変似つかわしいとの声が上がったことも関係者一同嬉しく思いました。今年も愛宕の森に3人の美しい音色が響き渡ることを期待しています。

(8) 2015年12月12日「第6回 プライベートコンサート」(於 アトリエブルックス プライベートサロン)
横山幸雄さんによる年一回のクローズドコンサートが年末も開催されました。毎年12月または1月に開催されるのが恒例で、第5回が1月開催でしたので2015年は幸運にも2度聴けたことになりました。横山さんが自分は「晴れ男」だと言っていたようにこの日も天候に恵まれ、穏やかな海とともに伊豆大島までが遠望出来ました。プログラムはショパンとともにモーツァルトやシューベルトが演奏されました。横山さんがFAZIOLIピアノ(2009年製F212)で弾くショパンの幻想ポロネーズは軽井沢のプレイエルピアノ(2006年製P190)のそれとは当然ながら趣が異なり、幽玄とも言える深淵さを漂せていました。プレイエルの音色がフランスの香水に例えられるようにFAZIOLIのそれを例えるのなら、ストラデイバリウスの故郷と呼ばれるイタリアのフィエンメ峡谷に広がる森や大地の香りと言えるかもしれません。ちなみにイタリア製のFAZIOLIの響板には、ストラディバリウスにも使われたフェエンメ峡谷の木材(FAZIOLIの場合は赤トウヒ)が使用されていることがその理由です。1月に引き続き演奏されたモーツァルト(今回はソナタ13番)もその端整で純粋な完成度は感動的であり、アトリエブルックスでは初の演奏となるシューベルト即興曲作品90も華麗さと大胆さを兼ね備えた名演でした。

昨年は年末のプライベートコンサートをもって全てのコンサートを終えました。年明けの東京近郊でも季節外れの暖さが続いていますが、2016年も魅力的なサロンコンサートの開催に努めて行きたいと気持ちを新たにしました。軽井沢ショパン倶楽部と出演アーティストの皆様、そして当コンサート活動を応援して下さっている全ての皆様、本年もよろしくお願い致します。

            
            
自宅近くから見る初日の出


【2016/01/03 11:08】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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