リストランテ・キメラ

3月15日にピアニストの横山幸雄さんが経営する京都のイタリアンレストラン、「リストランテ・キメラ」のコンサート付ディナーに行って来ました。八坂神社のすぐ隣という立地で外観も町屋風の建物、まさしく古都らしい雰囲気の中にありました。
先ずは30名余りで満席になる1階のピアノサロンでウェルカムドリンクをいただきながら、横山さんとスタッフによる当日の食材の紹介がありました。中でも北海道から送られてきたという特大の平目が注目を集め、ウォールナットの80年前のプレイエルピアノを背にしたパフォーマンスは、音楽と食の融合を目指す横山さんらしい演出に感じました。
その余韻も冷めぬうちに、引き続きピアノ演奏が始まりました。 まず1曲目は、ヴェートーベンの「ピアノソナタ第1番」からでした。「若きヴェートーベンが自らのピアノ技術を誇示するような意欲的な作品」と横山さんの説明にあったように、純粋さと力強さを併せ持つ大曲を、端整なタッチで難なく弾きこなしていました。
2曲目からはショパン作品となり、最初に「ソナタ第2番」でした。全体的にロマン派の作品らしい抒情性と説得力ある演奏でしたが、第一楽章第一主題の切迫感と第三楽章「葬送」展開部の柔和なアルペジオ、そして第四楽章の正確で勢いのあるユニゾンがとりわけ印象に残りました。
最後は「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の演奏でした。 横山さんによるアトリエブルックスのショパンコンサートでもリクエストの多い人気曲ですが 、流麗なアルペジオを伴った導入部のカンタービレも、キメラのプレイエルを通して聴くとセピア色の写真を見るような懐かしさを覚えました。また特有のきらびやかな高音も健在でしたが、見た目もアトリエブルックスのもの(2006年製)よりやや大きく、華やかなポロネーズも凛とした大人の印象を保っていました。
歴史に彩られた京都、リストランテ・キメラでの横山さんの演奏は、その静謐な熱狂の中で成熟した重みを十二分に備えた内容でした。もちろん和のテイストを取り入れたイタリアンディナーも、それにたがわぬものでした。

   
             
         

リストランテ・キメラ 
http://www.gion-chimera.com/ 


【2014/03/31 02:55】 楽しむ | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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