10周年記念コンサート


今年の夏で「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」が開催されて丸10年が経ちました。ちなみに第1回の開催は2007年の夏、主催者の教師だったピアニストによるショパン演奏と、門下生による発表会がセットになったものでした。言うなれば優秀なピアノ指導者を囲んだピアノ愛好家の集いといったところからスタートしましたが、幸いにも2009年の横山幸雄さんの出演や翌年の軽井沢ショパン倶楽部結成などを経て、なんとかここまでたどり着くことが出来ました。これもひとえにショパン倶楽部世話人をはじめとした多くのお客様と、全ての出演者の皆様のご理解とご協力の賜物であったと深く感謝申し上げます。思えばあっという間の10年でしたが、先ずはここまで来れたことの節目として8月13日と21日に二つの記念コンサートを開催いたしました。いずれも軽井沢ショパン倶楽部・アーティスト代表の横山幸雄さんによるピアノ演奏で、後半の21日はNHK交響楽団の皆さんによるカルテットとの共演でした。その様子をGWに開催されたプログラムとともにかいつまんでご報告させていただきます。
 

5月1日開催「第39回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」
= プレリュート&エチュード特集 =
ピアノ:横山幸雄
2つのノクターン 作品27
24のプレリュード 作品28
  ティータイム
12のエチュード 作品25 
 以下リクエスト曲
バラード第1番 作品23
4つのマズルカ 作品33
即興曲第2番 作品36
舟歌 作品60

           


GWのコンサートは横山幸雄さんの毎年恒例ショパン全曲演奏会の直前に開催されるのが習わしとなっており、8年目にあたる今年も全曲演奏会の曲目から選んだプログラムとリクエストになりました。一大コンサートを控え、集中力に満ちた横山さんの完成度の高い演奏に一同酔いしれました。



8月13日開催「第40回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」
= 10周年記念 プレ・コンサート =
ピアノ:横山幸雄
ピアノコンチェルト第2番 作品21 ピアノソロバージョン
  ティータイム
ピアノコンチェルト第1番 作品11 ピアノソロバージョン

           


10周年記念プレ・コンサートは二つのピアノコンチェルトのソロバージョンが演奏されました。ショパンが活躍していたころは現代ほどオーケストラが身近でなかったこともあり、初演はいずれも20才のショパン自らがピアノで独奏したと言われています。また管・打楽器を含むオーケストレーションは後に第三者によって補作されたという説もあり、そうであれば作曲家自身が実際に表現したものに近い形態はソロバージョンなのかもしれません。1番2番ともにショパン本人が弾いているような繊細さと、夏の当コンサート特有の煌びやかさを兼ね備えた名演となりました。
 


8月21日開催「第41回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」
= 10周年記念コンサート =  
ピアノ:横山幸雄 
ヴァイオリン:宇根京子、横溝耕一 ヴィオラ:飛澤浩人 チェロ:向山佳絵子 
(以上、NHK交響楽団メンバー)
ピアノコンチェルト第2番 作品21 室内楽バージョン
  ティータイム
ピアノコンチェルト第1番 作品11 室内楽バージョン


            

プレ・コンサートでのピアノ独奏バージョンに続き、10周年記念コンサートでは横山幸雄さんのピアノにNHK交響楽団メンバーによる弦楽四重奏が加わり、コンチェルトの室内楽バージョンが披露されました。幸いにもN響の皆さんは一昨年の仲道祐子さんとのコンチェルト第1番、そして昨年の横山幸雄さんとの第2番の演奏時と同メンバーとなりました。前述したようにショパンはピアノコンチェルトの初演をピアノソロで演奏しましたが、生前に出版されたいずれの楽譜も弦楽五重奏を加えた室内楽バージョンであったように、少人数ないしはソロで演奏する機会が圧倒的に多かったようです。そういった意味でも前回も今回も当時の演奏形態に比較的忠実であったと言えるでしょう。実際の演奏も5人の一糸乱れぬ呼吸が見て取れるほどのバランス感覚と、出るところは出るメリハリの良さが際立ちました。また前回にも増して各パートの艶やかな音色が光り、曲が進行して行くにつれていっそう色彩豊かに輝いていく様は感動的でした。 

           



今年は天候不順が続き、隣町から野菜を売りに来る回数やテニスがプレ―出来る日にちも減りました。しかしショパンがとりわけ好んだサロンコンサート、お陰様で音楽好きな仲間や卓越した演奏者達と次なる10年に向けて歩んで行きたい思いを強くした夏となりました。多くの関係者の皆様にあらためて深謝申し上げます。




【2017/10/25 22:38】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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2つのプライベートコンサート

天候にも恵まれた日曜日、ファツィオリピアノを使用した二つのプライベート・サロンコンサートが開催されました。一つは1月に開催された横山幸雄さんによるピアノコンサート、そしてもう一つは3月に開催された小林美恵さんによるヴァイオリンコンサートでした。


軽井沢ショパン倶楽部・アーテイスト代表でもある横山幸雄さんによる当プライベートサロンでのコンサートは今年で7回目を迎えましたが、今回はシューマン「幻想曲作品17」とショパン「練習曲作品10」(全12曲)他が披露されました。
シューマンの完成度は特筆すべきもので、精緻でダイナミックな演奏はこれまでの到達点と言っても過言ではないほどでした。また当サロンのファツィオリピアノで初めて聴くショパンのエチュードは軽井沢のプレイエルのそれとは異なり、ゴージャスともいえる華やかさに満ちていました。
終演後の懇親会途中から恒例のAve verum corpusを合唱し、「ファツィオリピアノを楽しむ会」が開催されました。当日は6名の有志がショパンやリスト、シューベルトなどを自慢の腕で披露し、楽しく和やかな時が過ぎて行きました。

              



横山さん同様、軽井沢でもお馴染みの小林美恵さんのヴァイオリンコンサートは、同じく昭和音大で教鞭をとるピアニスト・佐々木祐子さんが伴奏を務めました。
今回は小林さんの弾くストラディバリウスとファツィオリピアノの響板がいずれも北イタリア・フィエンメ峡谷で採れるアカトウヒであるという点にも着目されました。
当日は日本音楽財団 (複数のストラデイバリウスを所有して才能ある奏者に無償で貸与している財団) の評議員も務める軽井沢ショパン倶楽部・松木康夫会長の挨拶で始まり、ファツィオリピアノの日本総代理店・ピアノフォルティのアレック・ワイル代表と小林美恵さんとで二つの楽器の共通点などを話してもらいました。
その後アンコールを含めて11曲が披露されましたが、いずれも奏者の秀でた表現力により、互いの同じDNAを象徴するかのような艶やかな響きに包まれました。
とりわけショーソンの「ポエム」とシマノフスキ「夜想曲とタランテラ」の完成度は高く、ストラディバリウスとフ
ァツィオリが時に対峙しながらも、寄り添い融合していく様が見て取れるようでした。またアンコールのドボルザーク「わが母の教え給えし歌」では、双方の慈しみ深い音色が胸に迫りました。
 
     


新春と春に開催された二つのプライベートコンサート、奏者の力を得てそれぞれの楽器の長所を最大限に引き出した印象深いものとなりました。
横山幸雄さん、小林美恵さん、佐々木祐子さん、そしてお忙しい中お越し下さった多くのお客様とアレック・ワイルさん、さらには松木会長をはじめとした軽井沢ショパン倶楽部関係者の皆様に心より感謝申し上げます。




【2017/04/18 05:35】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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謹賀新年、そして第38回オールショパンプログラム

今年も自宅のある神奈川県で新年を迎えました。元旦は天気予報通り初日の出を拝むことができ、穏やかな三が日となりました。3日の夜は鶴岡八幡宮に初詣に行き、平和で幸多い1年になることを祈りました。参拝客で賑わう夜店ではリンゴ飴を久々に買って、子供の頃を思い出しました。

            

            自宅近くから見た今年の初日の出

また昨年は11月3日に開催された「第38回軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」でコンサート活動を華やかに締めくくりました。
出演はお馴染みの小林美恵さん(Vn)、長谷川陽子さん(Vc)、そして仲道祐子さん(Pf)の豪華トリオ演奏でした。
曲目は
スケルツォ第2番 (Pf)
ノクターン第2番 (Vn+Pf)
バラード第1番 (同上)
チェロソナタより第一楽章(Vc+Pf)
24のプレリュードより第6番(Vc+Pf)
エチュードより「別れの曲」(Vc+Pf)
そして休憩を挟んでピアノ三重奏曲(Vn+Vc+Pf)の演奏でした。
冒頭の仲道さんの明快なスケルツォが華を添え、小林さんの初めて聴くイザイ編曲バラード1番の超絶技巧と説得力は聴き手の心をおおいに揺さぶりました。
長谷川さんのチェロソナタ第一楽章のライブ感と、ボビュラーな小品2曲の深い音色に感動しました。
第二部のピアノ三重奏曲は過去の演奏の中でも随一と思えるほどの完成度を見せ、三人の息の合ったメリハリある演奏はこのままCDとして発売しても良いほど、いやそれ以上の演奏に思えました。
実力と人気を兼ね備えたお馴染みのトリオ演奏は昨年で4回目、軽井沢ショパン倶楽部にとっての秋の贅沢な楽しみの一つとして定着しそうです。

                      

昨年はプライベートサロンで初のオールバッハ・チェロコンサートに明け、軽井沢では春・夏・秋計3回のオールショパンコンサートを開催しました。
今年は「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」を始めて丸10年となりますが、恒例のオールショパンコンサートに加えて引き続きプライベートサロンでもコンサートを計画中です。
2017年もアトリエブルックスと軽井沢ショパン倶楽部を宜しくお願いいたします。   

                                                               

                                               

【2017/01/11 11:11】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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第37回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム

ご報告が遅れましたが晴天の7月31日、「第37回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」が開催されました。<横山幸雄さんとN響メンバーが奏でるオーケストラ作品>と題して、天才ピアニスト・横山幸雄さんとNHK交響楽団次席ヴィオラ奏者の飛澤浩人さん率いるN響カルテットの皆さんとの共演でした。昨年のピアニスト仲道祐子さんの演奏会と同様、飛澤さんのほかにヴァイオリンの宇根京子さんと横溝耕一さん、そしてチェロ首席奏者の向山佳絵子さんの3人が加わり、軽井沢ショパン倶楽部の松木康夫会長が冒頭挨拶で語ったように、「愛宕の森で開かれる日本一贅沢なサロンコンサート」となりました。

           

曲目は
序奏と華麗なるポロネーズ(ピアノ&チェロ)
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ(ピアノ&弦楽四重奏)
バラード第1番(ピアノソロ)
スケッルツォ第2番(ピアノソロ)
  奏者を交えたティータイム
ノクターン第7番(ピアノソロ)
ノクターン第8番(ピアノソロ)
コンチェルト第2番(ピアノ&弦楽四重奏)
ノクターン第20番「遺作」(ピアノソロ アンコールに応えて)
でした。

第一部はチェロの向山佳絵子さんと横山幸雄さんの演奏する「序奏と華麗なるポロネーズ」で幕を開けました。適度なイントネーションやルバートを効果的に利かせ、互いの聴かせどころを存分に引き出していました。なめらかでメリハリのある曲運びが印象的で初共演とは思えないほどでした。 ちなみにお二人は高校時代の先輩・後輩にあたるそうです。
二曲目の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の演奏からヴァイオリンの宇根京子さん、横溝耕一さん、そしてヴィオラの飛澤浩人さんが加わりました。横山さんがソロでも頻繁に演奏する曲ですが、前半のアンダンテスピアナートのピアノソロでは繊細さがさらに磨かれました。ヴァイオリンとヴィオラによるファンファーレが鳴り響き、チェロの低音が加わってポロネーズへと移行しましたが、冒頭からN響特有の柔軟な色彩感を発揮してピアノを盛り立てました。横山さんのピアノも豊穣感と決定力にあふれ、前作同様に完成度の高い演奏となりました。
第一部の後半は横山さんのピアノソロでした。「バラード1番」も「スケルツォ2番」も確かなテクニックと説得力に満ちた演奏となりました。曲の聴かせどころを押さえながらコーダに向かって聴き手を魅了していく勢いはいつもながら圧巻で、会場全体が興奮の渦に巻き込まれました。 
 
30分ほどのティータイムを挟んで後半の第二部が始まり、先ずは横山さんのピアノソロで「ノクターン7番」と「同8番」が演奏されました。特にピカルディ終止が印象的な7番の抒情性と、宝石を散りばめたような8番の優雅さは、まさにサロンコンサートらしさを象徴するようでした。
続いてN響の皆さんが再び加わって「コンチェルト2番」が演奏されました。第一部の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」では比較的出番の少なかった弦楽器も、このコンチェルトではデュトワ以降のN響の特徴と言われる柔軟な色彩感を如何なく発揮して、横山さんのピアノをいっそう引き立てました。
第一楽章では比較的長目の弦の序奏から始まり、冒頭から若きショパンの恋の苦悩が印象付けられました。それを引き継いだピアノも気迫あふれる演奏で全体を牽引し、ショパンの人生のように目まぐるしく揺れ動く一大抒情詩となりました。
聴かせどころの第二楽章では甘く切ないピアノの旋律に、弦楽器が柔和な表情を添えました。ユニゾンで劇的に語られた中間部では、弦のトレモロがショパンの焦燥感を引き立てました。随所で完璧なテクニックを駆使したピアノは、繊細な音色とメリハリある演奏でショパンの恋人コンスタンツィアへの気持ちを最大限に表現しました。
マズルカのオべレク的要素の入り混じった第三楽章では、変化とスピード感あふれる演奏が披露されました。ピアノの装飾的なパッセージやヴィオラで表現したホルンの音色も印象的でしたが、曲が進むにつれてショパンの苦悩が祖国ポーランドの民族的リズムに昇華し、癒されてゆく安堵感さえ感じました。

今回の横山幸雄さんとN響カルテットの皆さんとの共演は、サロンコンサートの良さををあらためて見直すにふさわしい素晴らしい内容となりました。ショパンは親しい仲間の集まるサロンで演奏することを好み、規模の大きな会場での演奏は少なかったと言われています。コンチェルトも今回のような小編成でサロンで演奏される機会が多かったようです。
ただ多くの傑作を残したショパンでしたが、ジョルジュ・サンドとの破局などもあって39才で早逝してしまい、パリに行ってからは恵まれた後半生ではありませんでした。そんなショパンだったからこそ、聴き手と距離の近いサロンで育まれる音楽的つながりを大切に思ったのかもしれません。ノクターン20番「遺作」は姉ルドヴィカのコンチェルト2番の練習用にと、ポーランドを旅立つ少し前に書かれたそうです。今回
横山さんがアンコールで弾いた身に迫る哀愁が、若きショパンのその後を暗示するようでもありました。

           


お忙しい中お越しくださった多くのお客様、軽井沢ショパン倶楽部会長と世話人の皆様、そして素晴らしい演奏を披露してくださった全奏者の皆様に心から感謝申し上げます。


【2016/10/18 01:18】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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リハーサル

7月31日開催の「第37回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」の本番前リハ―サルが、NHK交響楽団の本拠地・高輪演奏所(泉岳寺練習場)で簡単な打ち合わせを兼ねて行われました。
メンバーはNHK交響楽団ヴィオラ次席奏者の飛澤浩人さん率いるN響のスーパーカルテット(ヴァイオリンに宇根京子さんと横溝耕一さん、チェロが主席奏者の向山佳絵子さん)と、軽井沢ショパン倶楽部アーテイスト代表でもある我らが天才ピアニスト・横山幸雄さんでした。 曲目は「コンチェルト第2番」と「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」(いずれもピアノ&カルテット)、そして「序奏と華麗なるポロネーズ」(ピアノ&チェロ)です。
約2時間のリハでしたが初めてとは思えないほどスムーズで、このまますぐに本番といってもよいほどの内容でした。合間に時おり横山さんからテンポや強弱のコメントがあったり、カルテット内で役割分担の話が出たくらいで、曲が終わるたびにお互い拍手が湧いたりと和気あいあいとしたリハでした。 あとは当日のゲネプロを経て本番を待つばかりです。

   
    

【2016/07/26 23:39】 日常 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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