迎春2012

今年は神奈川県の自宅で新年を迎えました。軽井沢にアトリエが完成した2007年以来のことです。雪の降り積もる年明けとは異なり、日常と隣りあわせの正月はどことなくせわしさを感じました。元旦の神社に初詣に行った時の人の多さやスーパーの賑わいに、ふと正月であることを忘れてしまうほどでした。それだけ山や森に囲まれた軽井沢の新年が静かで、俗世からかけ離れたものなのかもしれません。思索にふけるため、かつて多くの宣教師が好んで滞在した訳も分かる気がします。しかし自宅のあるこの街では、明日の2日からほとんどの商店がシャッターを開け、市内を抜ける国道ではUターンラッシュが見られるでしょう。
今年はそんな家の近くから、初日の出を街の様子とともに写真に収めました。遅ればせながら、アトリエブルックスも4日から始動します。

           

さて2012年プレイエルピアノによる「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」の第一弾は、4月29日(日)開催の横山幸雄さんのワルツ特集です。当アトリエでもすっかりお馴染みとなった名手・横山さんには、嬉しいことに7月後半〜にもご登場いただきます。                                          また8月18日(土)には昨年演奏いただいた仲道裕子さんと、初出演のチェリスト長谷川陽子さん共演によるオールショパンを、当日は定員45名様の至近距離から披露いただきます。
さらに特別番外編として、軽井沢に縁の深い作家・下重暁子さんのショパンにまつわる講話(または朗読)とのコラボレーションも、8月下旬に実現しそうです。
 <下重さんに関する本ブログ記事は、2009年12月UPの「自然、そして祈り」と、2007年10月の「エロイーズ・カニングハム」をご参照下さい> 

なお横山幸雄さんによる4月29日開催のオールショパンコンサートは3月1日からのご予約受付開始、それ以降のコンサートはGW明けの5月7日からの受付です。 
素晴らしいアーチストの競演を、サロンならではの和やかさと臨場感の中で味わっていただけたら幸いです。今年こそ平和な一年であることを祈りつつ、皆様のお越しを楽しみにお待ちしております。 


【2012/01/01 18:00】 日常 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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2011年、夏のショパンコンサートのご報告

この夏はお盆過ぎから雨が多く、昨年より涼しい日が多かったようです。時に10℃近くまで下がる晩もあり、8月後半は夏と秋の間を行ったり来たりでした。
それでも雲間から顔を出す太陽が、高地特有の強い日差しを浴びせ掛け、蝉たちの合唱を森に響かせました。
さて2011年、夏のオールショパンコンサートのご報告です。今年は7月に横山幸雄さん、8月に初登場の仲道祐子さんのコンサートが開催されました。いずれも多くのお客様がピアニストの熱演に酔いしれ、昨年同様、聴き応えのあるコンサートとなりました。  
では早速7月の横山幸雄さんの演奏から順にご報告したいと思います。 


「第18回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」
 <横山幸雄さんによるノクターン特集>
日時 : 7月17日(日) 16時開演 定員50名様 
ピアノ : 横山幸雄 (プレイエルP190使用)
曲目
  
 1)
ノクターン作品9-1
,2,3 (1,2,3番) 
 2) ノクターン作品15-1,2 (4,5番)

 3) ノクターン作品27-1,2 (7,8番)
〜 ティータイム 〜 
 4) ノクターン
作品48-1,2 (13,14番)
 5) ノクターン作品55-2 (16番)
 6) ノクターン作品62-1,2 (17,18番)
以下リクエスト曲 (アンコールに代えて)
 7) アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
 8) 幻想ポロネーズ   

    


アトリエブルックスでは今年のGWからジャンル別の企画となった横山幸雄さん、その2回目の今回はノクターン特集となりました。
先ずは作品番号の若い順に作品9の3曲の演奏でした。いずれもプレイエル社長、カミーユ・プレイエルの妻であるマリーに捧げられた初期の作品で、そのロマンに満ちた作風を反映させた演奏となりました。仄かな雰囲気をかもし出す1番の緩急、2番の装飾音(ポーランドナショナルエディッション版)のきらびやかさ、3番の中間部の勢いと、主題再現部からコーダの下降音階にかけての繊細さが印象的でした。
作品15の4番では、主部のクリアーなタッチとトレモロの続く中間部の激しさが、また5番ではやはり流麗な右手の装飾パッセージが印象的でした。
作品27の7番では主部の静謐な味わいと、バッハのオルガン音楽に迫る和音の響きがドラマチックでした。また当時伯爵夫人に献呈され、貴婦人のノクターンとも言われる8番では、調性と旋律の絶え間ない移り変わりを、プレイエルの甘くきらびやかな音色を最大限に引き出しながら披露してくれました。 
ティータイムを経て、第二部は作品48の2曲からの演奏でした。とりわけ人気の高い13番では、中間部のコラールを仄かなアルペジオと和音で彩り、オクターブの連続は再現部へ向けて十分な盛り上がりを見せました。また再現部では迫り来る勢いを確かなテクニックで表現していました。14番では調性の移ろいと、ややもすればつかみどころの無い旋律を切なくまとめていました。
作品55の16番では、左手のアルペジオと右手の旋律の掛け合いが印象的で、ポリフォニックで色彩感覚溢れる演奏となりました。
ショパン生存中最後に出版されたノクターン作品62は、いすせれもサンドとの破局後に書かれた晩年の傑作とも言われ、適度なルバートや強弱を効果的に駆使した味わい深い演奏となりました。とりわけ17番では再現部のトリルがはかなく、転調した終結部の安楽ともいえる様は心に迫るものがありました。またホ長調18番の示す安堵感は悟りに近い明るさを呈し、ゆえにショパン晩年作品として説得力のある演奏となりました。
アンコール代わりのリクエスト曲では、事前に複数の方から希望のあったポロネーズの2曲が披露されました。
1曲目の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は、横山さんの技量と勢いを目の当たりにした演奏となりました。序奏部分のアルペジオの流麗さ、後半のポロネーズ部分のスピード感と装飾音の確かな技術、そしてこれでもかというコーダの盛り上がりに聴き手は満場の拍手を浴びせました。
また2曲目の「幻想ポロネーズ」は、二ヶ月前の5月にショパン212曲を完全走破してギネスに再登録された際のラストと奇しくも同じ曲となりました。序盤の幻想的な響きにショパンの悟りと葛藤を感じ、その後の美しくもつかみどころのないポロネーズ部分をまとめ上げた構築力と表現力は横山さんならでの演奏でした。また再現部からコーダにかけての安楽な様は、時代と境遇は全く異なるものの、212曲完全走破を成し遂げた奏者の気持ちと相通ずる部分を感じました。
今回の横山幸雄さんのノクターン特集、ピアニストとしての数多くの実績が演奏にいっそうの味わいを付与し、聴き手にさらなる感動をもたらしました。
なお次回の横山さんの演奏は来年GWのワルツ特集です。 


「第19回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」
 <仲道祐子さんによるスケルツォ全曲他の演奏> 
日時 : 8月20日(土) 16時開演 定員50名様 
ピアノ : 仲道祐子 (プレイエルP190使用)
 1) ポロネーズ  
         第1番
嬰ハ短調Op.26-1
     第3番 イ長調「軍隊」Op.40-1
 2) 6つのポーランドの歌
ショパン/リスト編曲
       乙女の願い、春、指輪、バッカナール、私の愛しい人、家路
 3) プレリュード
         第15番 変二長調「雨だれ」Op.28-15 
            〜 休憩 〜
 4) スケルツォ

       第1番 ロ短調Op.20
         第2番 変ロ短調Op.31
         第3番 嬰ハ短調Op.39
         第4番 ホ長調Op.54
 
 5) アンコール
     春に寄す   グリーク
     乙女の祈り  リスト 
          〜 ティータイム 〜     

 
   

ベージュ地に鮮やかなピンクのドレスで登場した仲道祐子さん、まずはポロネーズ1番の演奏から入りました。その出だしの付点和音はクリヤーで明快、ピアニスト自身の特徴を凝縮しているようでした。中間部は一転して柔和に表現し、ショパンが故郷を懐かしむ心境とやるせなさが自然体で披露されました。
ポピュラーな軍隊ポロネーズも和音の力強さと、各フレーズの終わりの一音一音かみしめるようなタッチが印象的でした。
リスト編曲の『6つのポーランドの歌』では、リストがショパンの原曲(歌曲)のイメージを尊重したという仲道さんの説明通り、民族的雰囲気の漂う中、歌曲としての魅力を引き出した演奏となりました。  
とりわけ「乙女の願い」では軽やかなマズルカのリズムが小気味良く、粒のそろった高音部が印象的でした。「バッカナ−ル」では目まぐるしいメロディーと拍子の移り変わりに、まるでオペレッタを観劇しているような気分に浸りました。また「私の愛しい人」は左手のゆったりとした流れと右手のきらめきに、爽やかな安息を感じました。
『雨だれ』では淡々としたタッチに、ショパンが恋人ジョルジュ・サンドとともに逃避行したマジョルカ島の雨の光景が目に浮かぶようでした。
濃紺のドレスに着替えた仲道さん、後半は『スケルツォ全曲(4曲)』という聴き応えある演奏となりました。
「1番 ロ短調作品20」では出だしのクリヤーな和音に始まり、左手の不協分散和音の鋭さと、右手の技巧的パッセージの流麗さが際立っていました。ポーランドのクリスマス・キャロルからヒントを得たという中間部は、旋律の右・左手の入れ替わりがスムーズで、淡々としたタッチの繰り返しが聴き手の想像力をかき立てました。
「第2番 変ロ単調作品31」では劇的な出だしと、転調後のアルペジオに支えられた天国的な旋律が対比をなし、スケルツォらしい快活さを表現していました。流れるような右手の中間部を経て、再現部からコーダに向かう自然な盛り上がりは、聴き手の心を惹き付けました。
「第3番 嬰ハ短調作品39」は、序奏のユニゾンとは打って変わるオクターブの力強さと、随所に降り注ぐアルペジオの透明感が印象的でした。また再現部からコーダに向けてはバッハのオルガン曲を思い起こさせる華々しさを放ち、手の大きな仲道さんならではのスケールの大きな演奏となりました。
スケルツォとして最後に作曲された「第4番 ホ長調作品54」では、 明るいスタッカートと素早いパッセージを織り交ぜた複雑な構成を歯切れ良くまとめ、物憂げな中間部はゆったりと存在感ある演奏となりました。また3番同様コーダは力強く、終結部らしい華やかさを放っていました。
アンコールは北欧のショパンとも言われるグリークの『春に寄す』と、今年生誕200年のリスト『愛の夢』でした。前者はプレイエル特有の中高音を繊細に響かせ、後者では人気曲の優美さをストレートに表現して感動を呼びました。
初登場の仲道祐子さんの演奏ではしっかりとしたタッチとクリアーな音色で曲を正面から捉え、洗練されたショパンが聴き手の心を魅了しました。
  


           
 


今年の「軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」は、以上のコンサートをもって無事終了いたしました。3月に東日本大震災が発生し一時はどうなることかと思いましたが、原発事故も含めて未だ大変な時期にこうして開催出来たことは、素晴らしい演奏を披露して下さったピアニストのお二方と、遠くからもお出でいただいた多くのお客様のお陰であると、心より感謝申し上げます。またこれらコンサートの売上の一部は、予定通り日本赤十字社、または被災地により近い機関に直接寄付させていただきます。
来年のオールショパンコンサートはGWからのスタートです。日本全国に1日も早い春の訪れを祈りつつ、皆様との再会を楽しみにお待ちしております。 



【2011/09/05 03:32】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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第17回オールショパンコンサートのご報告

「第17回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」がお天気にも恵まれた4月29日(祝)に開催されました。 当日はショパンピアノソロ全212曲完全走破コンサートを4日後に控えた、横山幸雄さんによるマズルカ特集でした。 
曲目はマズルカに加えて、事前にお客様から募った中から下記リクエスト曲を加えたものとなりました。 
 マズルカ作品17-1〜4 (10〜13番) 
 マズルカ作品24-1〜4(14〜17番) 
 
 マズルカ 作品30-1〜4 (18〜21番)
 マズルカ 作品33-1〜4 (22〜25番)                   
  <
ピアニストを交えたティー・タイム> 
 マズルカ作品41-1〜4 (26〜29番) 
  マズルカ 作品50-
1〜3 (30〜32番) 
  マズルカ 作品56−1〜3 (33〜35番)
  マズルカ 作品59−1〜3 (36〜38番)
  以下リクエスト曲(アンコールに代えて)   
 幻想即興曲
 ワルツ14番
 バラード4番
でした。 

   

冒頭、横山さんが1990年に3位入賞(1位なし)を果たしたショパンコンクールの際のマズルカの課題曲が作品17〜作品59からの選択であり、本日の演奏会も課題曲と同じもの全てを選んだとの説明がありました。また当時作品56を弾いたことを、懐かしむように話していました。
演奏はショパンの心象風景の只中に引きずり込まれるような深みと憂いを漂わせ、聴衆の心を揺さぶりました。また各曲の個性を緩急織り交ぜながら色彩豊かに表現し、ショパンが故郷を懐かしんで日記のように綴ったとの説明も頷けるものでした。
なかでも繊細なタッチで若きショパンの憂鬱な気持ちをクリアに表現した作品17-4(13番)、ゆったりとしたクヤヴィアクのリズムに魅了された作品24-4(17番) 、生を謳歌する3種のリズムの競演が際立った作品33-2(23番)、優れたテクニックと表現力で芸術性の高さを披露した作品50-3(32番) 民族的なタッチと奏法に彩られた作品56-2(34番)、故郷の安堵に思いを馳せるショパンの心中そのもののような作品59-2(37番)などが強く印象に残りました。  
またアンコールの3曲では、芸術作品としてのショパンを勢い良く披露してくれました。中でも最高傑作とも言われるバラード4番の主題再現部からラストに向かっての盛り上がりと疾風の如きアルペジオの連続、そして一呼吸置いた後の乱舞するコーダの迫力は聴衆を圧倒しました。
今回も横山さんの精緻で透明感溢れるタッチと安定したテクニックは健在で、マズルカではショパンの原体験を目の当たりにしたようでした。 またお客様の一部に東日本大震災で被災された皆様をお招きして、故郷を想うショパンの心象風景をともに辿らせていただけたことも特別なものがありました。
被災地の一日も早い復興を祈りつつ、お忙しい中、そして遠くからもお出でいただいた多くのお客様に深謝申し上げます。  さらに心に残る演奏を披露してくれた横山さんの、来る5月3日のショパン全212曲チャリティー演奏会<横山さんは出演料の全額を義援金として寄付するそうです>の成功を切に願っています。

  
 
 
なお次回のオールショパンコンサートは7月17日(日)午後3時開場・4時開演で、同じく横山幸雄さんのピアノによるノクターン特集です( 詳細は下段記事をご参照ください) また8月のショパンコンサートは仲道祐子さんの演奏で、8月20日(土)の同じく午後3時会場・4時開演予定です。
いずれもトップシーズンの軽井沢で、皆様のお越しを心よりお待ちしています。 

【2011/05/01 23:15】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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ショパン生誕200年記念コンサートのご報告

ずいぶん長い間更新が滞ってしまったことをお詫び申し上げます。昨年秋より公私ともども慌しく、年末年始も含めて軽井沢のアトリエに戻って来ることがほとんど出来ませんでした。 いずれにしても時間は自ら管理し作り出すもの、深く反省しております。
ところで昨年の夏は全国的に厳しい暑さが続きましたが、ここ軽井沢も例外ではありませんでした。7月の下旬にかけては6日間連続で最高気温が30℃を超え、真夏日の記録を更新したそうです。8月に入ってからもその勢いは一向に衰えず、30℃を超える日が多くありました。  軽井沢の一般家庭や別荘の多くにはクーラーが有りませんが、やはり昨年の暑さで設置件数が急増したそうです。別の理由がきっかけとなり、ここアトリエブルックスでも急遽導入することとなりましたが、もともとクーラー設置を前提とした家ではなかったため工事に手間取り、予想以上の出費となってしまいました。 平均気温は札幌並といわれる軽井沢、今年も夏の暑さはぶり返すのでしょうか?

さて一昨年の秋から始まった全7回にわたる「ショパン生誕200年記念・軽井沢で楽しむオールショパンプログラム」、いずれも聴き応えのあるコンサートとなり、昨年の10月16日をもって開催分全てを終了しました。 遠くからもお出でいただいた多くのお客様と素晴らしいショパンを披露くださった奏者の方々、そして美味しいケーキ・お茶などを提供し協賛いただいたBOBOS軽井沢様、さらには受付や駐車場整理などボランティアスタッフとして親身になってお手伝い下さった一部のお客様にあらためて深謝申し上げます。
ご報告が遅れましたが、既にリポート済みの当初2回分を除いて、7月以降のコンサートから順に振り返ってみたいと思います。    



第12回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <2010年7月18日開催>
ピアニスト・・・横山幸雄 (作曲年代順全4回シリーズの3回目)  

1) 3つのワルツ作品34 (2,3,4番)
2) ソナタ2番 変ロ短調 作品35
   休憩<奏者を交えたティータイム>
3) 2つのノクターン 作品48  (13,14番)
4) 幻想曲 ヘ短調 作品40
5) バラード4番 ヘ短調 作品52
6) ポロネーズ6番 変イ長調 作品53 「英雄」  
7) 子守唄 変二長調 作品57 (アンコール)   

    


第12回は横山幸雄さんによる演奏で、ショパン生誕200年を記念した作曲年代順全4回シリーズの3回目に当たりました。
横山さん自身による5月4日のショパン全曲演奏会成功の余韻が残る中、奏者自ら一番好きな季節という夏に向けてのエネルギーが、コンサート全体を通して満ち溢れていました。
ワルツ作品34の2番,4番の軽やかさ、そしてソナタ2番の第1,2楽章の切迫感とつかの間の安堵感は、第3楽章「葬送行進曲」への荘厳な響きへと続き、いずれもジョルジュ・サンドとともにあった作者の充実感と、奏者の現在の勢いがもたらした瑞々しさを放っていました。 特に第二楽章における変ニ長調〜変イ長調の第2主題では、天上の音色を聴いたようでした。  またユニゾンが続く最終楽章では、その不可思議さを疾風の如く表現しました。
ノクターン13番ではそのスケールの大きさを確実なテクニックで、また14番では切ない主題が叙情的に歌われました。 
幻想曲では有名な序奏の旋律に始まり、きらびやかなアルペジオに至るまでのショパンの自由な作風が、壮大かつ優美に披露されました。 またバラード4番はテクニックに裏打ちされた十分な説得力を備え、その華麗なコーダを経て、奏者のエネルギーは英雄ポロネーズで絶頂を迎えました。その演奏は迫力に満ち溢れ、会場を興奮の渦に巻き込みました。
そんな中でも演奏自体の安定感は決して損なわれることなく、横山さんの精緻で知的なスタイルは、今回も高いレベルで保たれていました。
それはアンコールの子守唄にも表れており、 英雄ポロネーズの熱狂とは打って変わった安堵感が、透明感溢れるタッチに表現されていました。  



第13回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <2010年8月8日開催>
ピアニスト・・・仲道郁代    

1) ワルツ2番 変イ長調 作品34-1
2) バラード3番 変イ長調 作品47
3) エチュード 変イ長調 作品25-1 エオリアンハープ
4) スケルツォ2番 変ロ長調 作品31
5) マズルカ13番 イ短調 作品17-4
6) バラード1番 ト短調 作品23
     休憩
7) 2つのノクターン ハ短調,嬰へ短調 作品48  (13,14番)
8) ノクターン20番 嬰ハ短調 「レント・コン・グラン・エスプレシォーネ」
9) 12の練習曲 ホ長調 ハ短調作品10-12 革命
10) 12の練習曲作品10-3 ホ長調 別れの曲
11) ポロネーズ6番 変イ長調 作品53 「英雄」 
     愛の挨拶(エルガー/アンコール)
       <奏者を交えたティータイム>  

           
 

第13回のオールショパンプログラムは、生誕200年を記念してアトリエブルックス初登場の仲道郁代さんの演奏でした。 
艶やかなパープルピンクのドレスで現れた仲道さん、その一曲目はワルツ2番の軽やかな演奏から始まりました。バラード3番やエオリアン・ハープ同様、ためのあるリズムは華やかさを助長し、その緩急の度合いもサロン向けに磨かれた印象を受けました。
またこれらの曲の調性であるイ長調は、ショパンが明るく華やかな曲をつくる時に用いたという仲道さんの説明にも、十分うなずける音色でした。
マズルカ 13番では深層心理を炙り出すように、ショパンの憂鬱な気持を現代に蘇らせました。
さらにバラード1番ではスケールの大きな演奏で曲自体の物語性をアピールし、奏者の豊かな感受性を印象付けました。 特に随所に現れる右手の流れるようなパッセージを織り交ぜながらPresto con fuocoの主題へ戻り、さらに終結部へと続く盛り上がりは奏者ならではの表現力でした。
後半に入ってエレガントなベージュのドレスに着替えた仲道さん、先ずはノクターン3曲の演奏でした。13番の導入主題の恒久性と、うねるような和音の連打に支えられた再現部の説得力は、聴き手を静と動のドラマチックな世界に引きずり込みました。また14番の主題の静かな移ろいと、20番の恋の悲しみは、プレイエルの甘美な音色をさらに際立たせました。 
革命と別れの曲では、趣向の異なる2曲のエチュードを丁寧かつ情感豊かに披露してくれました。特に別れの曲の和声に響く旋律では、やはりプレイエルの艶やかな音色を楽しませてくれました。
ラストの英雄ポロネーズではショパンの祖国への想いを高らかに表現し、会場全体を華やかな躍動感で包みました。 
また仲道さんお得意のトークは時に笑いを誘い、終始会場を和やかなものにしてくれました。たとえば ショパンの師は声楽家や作曲家であったことや、当時のプレイエルピアノの和音は音色が豊かで、それゆえオクターブ奏法の多いノクターン13番などを作曲したという話など、またバラード1番に秘められたショパンの愛国心などに聴き手は熱心に耳を傾けていました。
今回のコンサートでは、音符の合間に秘められたショパンの情念を、仲道郁代さんの抒情溢れる演奏で現代に蘇らせてくれました。 



第14回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <2010年8月14日開催>
ピアニスト・・・寺田悦子     

1) 舟歌 嬰ヘ長調 作品
60
2) 3つのマズルカ
 作品59
3) 幻想ポロネーズ 変イ長調
作品61
   休憩
 
4) ソナタ第3番 作品58  
5) ノクターン20番 嬰ハ短調 レント・コン・グラン・エスプレシォーネ (アンコール)  
6) トロイメライ (シューマン/同)
       <奏者を交えたティータイム>     

            
 

ショパン生誕200年記念として、第14回は同じく初登場の寺田悦子さんでした。 珠玉の晩年作品集のサブタイトル通り、ショパンの晩年の傑作が集められました。  
黒のショールにシックな花柄のドレスの寺田さん、先ずはピアノの椅子に腰掛け、ショパンがプレイエルのカンタービレを愛したことや、大ホール向けに開発されたスタインウェイとは異なり、プレイエルは主にサロン向けに開発され使用されてきたという違いを、落ち着いた雰囲気で話してくれました。
そして一曲目の舟歌はゆったりとしたリズムで一音一音かみしめるように、それでいて華のある演奏が披露されました。 特に右手の装飾パッセージとコーダの48連譜は、水面に反射する光の様子をこの目で見るようでした。
マズルカ作品59の3曲では、どれもが故郷ポーランドを想う晩年のショパンの眼差しが随所に感じられました。59の2では様々に彩られたポーランド・マゾヴィヤ地方の風景が、59の3では向かい合って踊る民衆の姿が聴き手の心に迫るようでした。
幻想ポロネーズでは、人生を振り返り様々な思いに駆られるショパンの気持ちを代弁するように、安楽と絶望が入り混じった起伏に富んだ演奏となりました。
後半はソナタ3番の演奏前に、ロマン派の作曲家のショパンはバッハの古典に傾倒し、ソナタ3番も様式美にこだわった作品であることの説明がありました。
引き続き第1楽章の優美さ、第2楽章の即興性、第3楽章の甘美さ、第4楽章の力強といった、各楽章ごと個性の際立つ演奏を披露してくれました。特に第1楽章の第2主題の天国的な旋律と第3楽章の夢見る音色には、サロンらしいゴージャスさが加わり、奏者ならではの演奏となりました。
アンコールのノクターン20番遺作では、気品ある演奏でショパン若かりし頃の作品とは思えない抒情性を、そして同世代の作曲家シューマンのトロイメライでは、優雅な演奏で聴き手を子供の頃への郷愁に誘いました。 
寺田さんのコンサートでは色彩感覚に溢れた音色で、それぞれの曲に込められたショパンの心象風景を楽しませてくれました。  



第15回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <2010年8月28日開催>
ピアニスト・・・竹村浄子 平澤仁(Vn) 東海千浪(Vn) 臼木麻耶(Vl) 鈴木聡子(Vc)   

1) 2つのノクターン 作品9 (1,2番 ピアノソロ)
2) プレリュード ホ短調、ロ短調 (弦楽四重奏)
3) ノクターン20番 嬰ハ短調 レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ (Pf&Vn)
4) 幻想即興曲 Op.66 (同)
    休憩
5) ピアノ協奏曲第1番 Op.11 (ピアノ五重奏)  
6) 同第3楽章途中より (アンコール) 
    <奏者を交えたティータイム>  

   
 

ショパン生誕200年を記念しての第15回軽井沢で楽しむオールショパンプログラムは、アトリエブルックス初の弦楽四重奏を迎えたコンサートでした。
ピアノは2009年にも出演いただいた竹村浄子さん、そしてヴァイオリンは平澤仁さん、東海千波さん、ヴィオラは臼木麻耶さん、チェロの小林聡子さんでした。
白地にブリリアントな花柄のドレスで登場した竹村さん、先ずはピアノソロでノクターン作品9の演奏でした。 いずれも丁寧なタッチから紡ぎ出されるクリアーな音色が印象的で、お馴染みの作品9の2ではきらびやかさが加わり、サロンの和やかな雰囲気をかもし出していました。
続く弦楽四重奏によるプレリュード2曲では、弦のふくよかな響きが会場全体に広がり、 本来はピアノで歌われる左手のパートが波のように寄せては返るさまが印象的でした。
また竹村さんのピアノと平澤さんのヴァイオリンによるノクターン遺作と幻想即興曲では、幻想即興曲のModerato Cantabileでそれぞれのパートが入れ替わる編曲があったりと、聴き手に新たなイメージを喚起させてくれました。
後半はアトリエブルックス初のコンチェルト1番の演奏でした。 定員50名(当日はスペースの関係で40名に変更)の空間でのピアノ五重奏は、予想を超える臨場感と華やかさに彩られ、会場は熱気に包まれました。
第1楽章では出だしの弦の重厚感と、ピアノの哀調帯びた響きに迫るものを感じました。また第2楽章「ロマンス」では、艶やかな弦が甘美な主題を引き立たせ、プレイエルの音色を更に引き出してくれました。第3楽章では躍動感溢れるピアノを力強い弦がしっかり支え、互いに呼応しあいながらコーダまで盛り上げてゆく様は圧巻でした。
アンコールでも再び第3楽章が披露されましたが、いずれの楽章も各パートの力強さとバランスの良さが印象的でした。またそれにより曲全体に溢れる生の歓びが手に取るように感じられ、ショパン自身がピアノ協奏曲を演奏する際も、今回のような小編成で披露するケースが多かった理由が実感できるコンサートとなりました。  



第16回 軽井沢で楽しむオールショパンプログラム <2010年10月16日開催>
ピアニスト・・・横山幸雄  (作曲年代順全4回シリーズの最終回)
 

1) 幻想ポロネーズ
2) 2つのノクターン 作品62 (17,18番)
3) スケルツォ第4番 作品54
4) 舟歌 作品60
   <奏者を交えたティータイム>
5) 3つのマズルカ 作品59
6) ソナタ第3番 作品58
7) ソナタ第1番 作品4 (アンコール)  

   
 

第16回は横山幸雄さんによる作曲年代順全4回シリーズの4回目にあたり、さらに全7回に及んだショパン生誕200年記念コンサートの最終回ともなり、第14回と同じく晩年の傑作が集められました。
一曲目の幻想ポロネーズは、その年の5月に横山さん自身が達成したショパン全曲演奏会成功のフィナーレの再現となり、イントロの出だしから会場は張り詰めた熱気に包まれました。 繊細で透明感溢れるタッチがもたらす瑞々しさや臨場感は、失意の中に光明を見出したショパンの息吹を真近に感じるようでした。 
2つのノクターン作品62の1では、主題を再現した繊細なトリルが天上の安楽を描き出していました。また作品62の2では美しい和声の中に脈々と流れる旋律が、すでに次の世に自分を見出しつつあるショパンの諦めや安堵感を表現するようでした。
スケルツォ4番では、右手のパッセージが華麗に散りばめられ、中間部の悲壮感と主題の瑞々しさが対峙した躍動感ある演奏となりました。特に後半のスタッカートの再現主題と華やかな終結部は、ジョルジュ・サンドとの充実期にあったショパンの生への歓びを謳歌するようでした。
舟歌では漂うような12分の8拍子に支えられた主題に、きらめくトリルを加えながらじょじょに盛り上げてゆく様は聴き手の心を揺さぶりました。
後半のマズルカ作品59では、36番のはかなさと37番の優美さが、そして38番では長調の中間部にショパンの郷愁の念が淡々と表現されていました。
またソナタ第3番では、第1楽章の閃光のような第1主題と、それに続く天国的な二長調の音色が透明感溢れ、全体において動と静、旋律と内声のバランスがかみ合った説得力溢れる演奏となりました。
 さらにソナタ第1番の全楽章をアンコールで聴けたことも幸運でした。 第3番の完成された優美さとは異なり、初期のソナタが古典を範にしつつ如何に冒険心に富んだものか、またショパンがどれほど自分の未来に希望を抱いていたかが、私たちの心にストレートに伝わりました。
ショパン晩年のソナタ3番に続けて、初期のソナタ1番を横山さんの演奏で聴くことができ、出発点に立ち返り、新たな201年目を踏み出した気持ちにさせてくれるコンサートになりました。  


           
 


全7回シリーズのショパン生誕200年記念コンサートでは、延べ4人の素晴らしいピアニストがショパンを演じて下さり、それぞれの個性を間近で堪能できたことは望外の歓びでした。 また奏者が異なれば解釈も異なり、奏法や音色も様々ですが、回を重ねるごとにショパンの輪郭が形作られ、さらに私たち聴き手の感性と想像力が加わることにより、作曲家の人生や人間性が垣間見えたことも大きな楽しみでした。 到達点としてのショパンの魂は未だ漠としていますが、それは各々奏者や聴き手の心の中にあるもの、いずれにしても広くて深い永遠の存在であることは間違いないようです。 
そしてもうひとつの収穫は、ピアノとともに生き、ピアノのために人生を捧げたショパンの作品であればこそ、少人数の会場で演奏されるべきだと確信したことでした。たった一台のピアノに奏者が全身全霊を託し、発せられる精神のほとばしりを聴き手が最大限受け止めることが大ホールで可能か否かは自明です。 もちろんホールの長所は認めなくてはなりませんが、ショパン自身が演奏する際、たとえピアノ協奏曲であってもオーケストラ編成を小さくして、サロンで披露することを好んだ事実からも明らかです。利益主導の資本主義的発想からは外れますが、このような時期だからこそ音楽への接し方や楽しみ方の原点として、サロンコンサートが再考されるべきだと願っています。   


           
  


【2011/03/25 15:15】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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横山幸雄オールショパンコンサート(Vol.2)のご報告

GW最中の5月2日、横山幸雄さんによる『軽井沢で楽しむオールショパンプログラム ショパン生誕200年特別企画 Vol.2』が開催されました。
軽井沢は桜が咲き始めの春の装い、当日は天候にも恵まれ、近隣の別荘や東京方面などから大変多くのお客様にお越しいただきました。
昨年11月2日開催のVol.1では「エチュード作品10&25」全曲や「ノクターン1,2番」などの初期の作品が中心でしたが、今回のVol.2では「プレリュード」全曲や「バラード1番」などといった、ショパンがパリに移つる前後からジョルジュ・サンドとの生活を始めた20代の作品が中心でした。

プログラム
第一部
 アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
 バラード第1番 Op.23
 幻想即興曲
 ノクターン第20番 遺作
 スケルツォ第2番 Op.31
第二部
 24の前奏曲(全曲) Op.28
アンコール
 プレリュード嬰ハ短調 Op.45 
 ノクターン第17番 Op.62  
以後ピアニストも交えたティータイム(約1時間)

   

わずか1日でショパン全曲を弾き切るという世紀のコンサートを翌々日に控えて、全ての曲が勢いに満ち溢れ、上質で完成度の高い演奏となりました。ここではその中でも特に印象に残ったものをお伝えしたいと思います。
第一部では一曲目の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」がとりわけ心に残りました。前半部分のアンダンテスピアナートでは、まさしくスピアナート(イタリア語で滑らか)という言葉以上に、左手のアルペジオに包まれたメロディーが、優美な天上の響きを醸し出していました。アトリエ常設の2006年製プレイエルピアノの甘くきらめく音色が、今回のコンサートの中では最も繊細に生かされた演奏のひとつであったと思います。
またポロネーズに入ってからのハ短調への転調部分でも、その哀調帯びた右手の旋律が切なく歌われて、聴き手の心を大きく揺さぶりました。
いくつものシーンに分かれる12分余りの大曲ですが、各主題の特色を十二分に発揮させながらも一作品としてきらびやかにまとめ上げ、コーダにかけて自然に盛り上げて行く演奏は横山さんならではのものでした。 

   

第二部はプレリュード全24曲という聴き応えのあるプログラムでした。この曲も当時のプレイエルピアノの社長、カミーユ・プレイエルに捧げられたもので、アトリエ常設のプレイエルピアノとゆかりの深い作品です。
さて前回のエチュード全24曲(作品10&25)同様、横山さんの全曲演奏は全てを聞き終えた後に味わう充実感が非常に大きいように思われます。ご承知の通り通常のコンサートでは、どちらも作品中の一部が演奏されるケースが多いため、今回のように一度に全曲演奏するという場合、そのボリウム感に耳を奪われがちです。しかし横山さんの場合は各曲の完成度が損なわれることなく、4番の深い悲しみ、18番の緊迫感、そして激動の24番などといったそれぞれの個性を際立たせながら、作品28全体を壮大な抒情詩の如く聴かせるあたりは特筆すべき点です。
このような才能に恵まれているからこそ、16時間もかけてショパンの全166曲を暗譜で、しかも通常のコンサートと変わらぬ完成度を維持しながら弾きこなすという神業が可能になったのだと感じました。
アンコールについても上質で木目の細かなショパンが表現されました。特にラストのノクターン17番はジョルジュ・サンドとの破局後の1846年に作曲された晩年の作品だけあって、深い絶望感の中にも光明を見出そうとする作曲家の境地が安らかに歌われていました。そして右手の長いトリルが主旋律を奏で始めた終盤、アトリエの天窓から幾筋もの光が注がれて、ショパンの魂が再びピアニストに乗り移った様を見た気がしました。
今回もピアニストの横山幸雄さんと、遠くからもお出でいただいた多くのお客様に心から感謝申し上げます。            
   
   

なお次回のオールショパンコンサートは7月18日(日)開催、同じく横山幸雄さんの演奏で、作曲年代順全4回シリーズの3回目となります。曲目はソナタ2番、バラード4番、幻想曲、英雄ポロネーズ、ノクターン13番ほかで、ご予約は6月18日からの受付です(定員50名様)
トップシーズン幕開けの旧軽井沢で、皆様のお越しを心よりお待ちしております。 
 
          
    


【2010/05/11 23:55】 コンサート報告 | TRACKBACK(-) | COMMENT(-)
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